あれから、一週間。毎日のように和志さんはお見舞いに来てくれて、他愛のない話を沢山聞かせてくれた。
「心咲ちゃん迎えに来たよ、支払いしたから帰ろう」
「えっ、後からお金返します……っ」
「いいんだよ、今からご飯食べに行こう」
和志さんは、私の荷物を左手に持つと右手は私の手を繋いだ。
「あ、あのっ……和志さん?」
「俺、今必死だから」
「え、必死? 何に……ですか?」
「心咲ちゃんに好きになってもらえるように、ね」
なんでこんなに私のこと……もしかして、妊娠させた責任とか感じてるとか。
「だけど、焦らずにゆっくりね。ランチ予約してあるんだ」
「はい、ランチってどこに?」
そこは、教えてくれなかったけど何故か和志さんは優しく笑って楽しそうだった。車に乗って数分、前にテレビで特集していたお洒落なパスタ屋さんに連れて行ってくれた。