家に帰って常木さんからもらった紙を開くと、電話番号とアドレスが書いてあった。





これまあ、と驚きを隠せない。




右下には狐の絵らしきものが添えられていた。これも常木さんが描いたものなのかしら。




なかなかに下手っぴで、ぷッと吹き出す。




こんな風なチャーミングな狐の絵を添える感性と私よりもずっと大人で紳士的な一面。





チグハグで掴み所のない彼が、この町で一番アヤカシっぽいではないか、



まるで狐に、あっかんべーと化かされてるようだ。






私はクスッと笑って、もらった紙をこっそり胸に抱いた。