こんなことがあったのだと真也に話せば……。



「まあ、好きの裏返しなんだろうね。好きすぎてってやつだよ。

ほら、小学生が好きな子にいたずらしたいっていう気持ちと変わらないって。

弥白さんってそういう人間味が薄い人だろ?

ああ、久美からしたらそうでもないかもしれないけどさ、
お前以外の奴から見たら、あの人ほんと完璧すぎて、生きるのが上手すぎて人間っぽくないところがあるんだよ。

それがどうよ、お前の前じゃ人間らしいを通り越して、幼児退行しているじゃないか。

良かった良かった」



とあの勉強会以降、真也は常木さんの肩を持つようになっていたのだ。



 それと私もちょっぴり真也と仲良くなれた気がするけれど、

それ以上に常木さんを悲しませるなよ、死ぬぞ。

なんて訳のわからないことを言われるので、
もしかして真也は常木さんのことが好きなのだろうかと考え直したところである。




私は手を合わせる。



どうか歪な三角関係になりませんように、と。