一体全体、彼は正門にて何をしていたんだろうという疑問は放課後に解き明かされることになる。




なぜなら、帰るときになっても常木さんは花壇に腰掛けていたからである。




私は昼寝か、もしくは事務的な用事があるのだろうと踏んで、会釈しそのまま横切ろうとしたが




「ちょっと、久美ちゃんどこ行くんですか」




引き止められてしまったので私は「へ?」と素っ頓狂な声をあげてしまった。
彼は私を待っていたらしかった。




常木さんは私を見るなり「もしかしてなんとも思っていないのですか……」とがっくしと肩を落としていた。



ここじゃあなんだから千秋神社にでも向かいながら話してもいいですか、と常木さんは言うので

用事などこれっぽっちもない私は二つ返事で快諾した。