甘くて、でもきつくない匂いが鼻をかすめる。
全てが、前に輝羅くんにされた時とリンクした。
でも、それと大いに違ったのは、
ー輝羅くんよりずっと優しい手つきだったこと。
私が拒絶しようとすればできるくらいの、女の子より弱いくらいの力だった。
許可なく触られるのは嫌だったはず。
なのにこの時何も負の気持ちが湧かなかったのは、何でだろう……。
それから、私たちはすこしずつ会話をするようになった。
ばれるのが怖いから、スマホでしかできないけど。
修斗くんは、
「実際に話した方が絶対いいよ」
と言っていたが、私はそんなの怖くてとてもできなかった。
この前の会話だってもしかしたら彼に盗み見られていたかもしれない。
そう思うと寒気がした。
だから、これ以上危険な目に逢いたくない。
それに彼にも、逢わせたくない。
だから私は、臆病ながらもその選択をした。
あの後こっそりメアドを交換して、二十人にも満たない私の連絡先の画面に「Syuto」と名前が表示されたのが、なんとも言えない不思議な気持ちだった。
なぜLINEではなくメアドにしたのか。
……それなら、ばれないと思ったからだ。



