「莉桜!どうしたの指でも切った⁉︎」
お母さんが慌てて駆け寄ってくる。
「ううん」
私は首を振った。それでも、偽りの笑顔さえ作れなかった。
「…少し休んでなさい。今日は私がご飯を作るから」
なにかを察してくれたのか、お母さんが言ってくれた。
ありがとう、と言ったはずの言葉は私の口から音として出てはこなかった。
私は2階の自分の部屋に行って、ベッドにうつ伏せに軽くダイブした。
そのまま少しフリーズする。
はー、もう、私ってほんとバカだ。
自分で言わないくせに、気づいて欲しいって思ってる。
かまちょ、なのかも。
でも、いつもより疲れは感じない。
…きっと、久保くんがゆっくり寝かせてくれたからなのかな。
眠気ももうないし。
涙も、いつのまにか治ってた。
辛いことがあっての幸せってのは、こんなにも素敵に感じることなんだ。
でも、この一週間が終わればまた輝羅くんとのあの地獄のような生活がスタートする。
それが嫌でたまらない。



