昔からこの食べ方が好きだった。



あまり食べ方は綺麗ではない。お母さんに「食べ方が汚い」と怒られたこともあった。けど、それでも好きだった。そして大きくなった今でもこの食べ方を止められない。


ロールパンはあっという間になくなったので、私は残った牛乳を喉に流し込んだ。



喉の渇きは癒されたが、だからといってこのまままっすぐ自分の部屋に行って寝る気もしない。



なので私は外に出ることにした。



まだ着たままの制服に上着を羽織って、その上着のパーカーを目深に被っただけの恰好だけど。



まだ外は真っ暗で、寒かった。



すぐに鼻の頭が冷えるのを感じた。



でも、私は外に出てよかった、と思った。



なんだか頭が冷えたというか、落ち着いたというか。



寝れないけどちゃんと寝よう。



私は真っ黒な空に輝くひとつの星を見上げて、少ししてから踵を返して家まで戻った。