電話がかかってきて本田くんが中座する。
見送る菊池さんの目には恋する乙女を感じさせるものがあった。
本田くんはイケメンだし彼女もいないって言ってたから彼を狙う人がいても不思議ではない。でも菊池さんがライバルだとしたらなかなかに厄介だ。私に勝ち目はないかもしれない。
つまらなそうに加藤くんが訊いてくる。
「あれか、やっぱ大野も本田のほうがいいのか?」
「へっ」
思わず変な声が出た。
やれやれといった調子で加藤くんがため息をつく。やけに盛大なため息だった。
「どいつもこいつもイケメンイケメンって……僕のほうがあいつよりよっぽど優秀なんだぞ。見てくれに騙されているとろくな目に遭わないからな」
「……」
加藤くん。
見てくれだけでなく中身も負けていると思うよ。
とは言えず。
でもまあ、ここは何かフォローしておくべきなのかもと頭を巡らせているとマナーモードにしておいたスマホが震えた。
見送る菊池さんの目には恋する乙女を感じさせるものがあった。
本田くんはイケメンだし彼女もいないって言ってたから彼を狙う人がいても不思議ではない。でも菊池さんがライバルだとしたらなかなかに厄介だ。私に勝ち目はないかもしれない。
つまらなそうに加藤くんが訊いてくる。
「あれか、やっぱ大野も本田のほうがいいのか?」
「へっ」
思わず変な声が出た。
やれやれといった調子で加藤くんがため息をつく。やけに盛大なため息だった。
「どいつもこいつもイケメンイケメンって……僕のほうがあいつよりよっぽど優秀なんだぞ。見てくれに騙されているとろくな目に遭わないからな」
「……」
加藤くん。
見てくれだけでなく中身も負けていると思うよ。
とは言えず。
でもまあ、ここは何かフォローしておくべきなのかもと頭を巡らせているとマナーモードにしておいたスマホが震えた。

