「私は今も、好きだって言ったよね」

「別れたいならはっきり言ってくれたら良いのに」

「何で、好きだって今も思ってる私に、それを、言わせるわけ?」


この全てを言うのに、凄く時間が掛かった。

朝に継ぎ足されて満タンだったはずのストーブの灯油が、
もう無くなるとストーブから女の声で悲鳴が上がったのだから。

少しずつ冷気が足元から上がってきて、上靴越しに地面が震える。

それがただただ寒さのせいじゃない事には、気づかないフリをした。


……酷だよなぁ、こんな、終わり方。