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クリスマスソングが街中を流れ、
イルミネーションによって彩られた道を、
重たい雪でぐっしょりと濡れたパンプスで闊歩する。

今までは落ち葉が足元をすり抜けて、
後れを取る私を笑うかのように抜かして、先々へ進んで行ったのに、
今は地面に張り付いたまま。

レンガが敷き詰められた大学構内にも、
そして今歩く歩道にも、
溶けかけて半透明の雪が隅に積み重ねられ、
急激に冬の様相を強めた。


周りをクリスマスに浮かれ立つ店やカップルが、
一人きりで夜道を歩く私や、疲れ切ったサラリーマン達を切り離すように、
新たな世界を作り出しているような、そんな季節。

私も数年前まではあちら側だったのに、少しだけ大人になった私は切り離された世界で、歩みを止める事無く僅かに下を向くしかなかった。