どうにもこうにも、上手くいかない事ばかりで、 それが嫉妬や焦燥に似た感情であることは重々承知だったけれど、 順風満帆に事の運ぶ友人を見るのが嫌いだった。 そして、この自分の身体を突き刺すような、 冷たく透明な空気が、 他のどの季節より澄んだ空が、 夜空が、そんな季節が、 大嫌いだった。 何よりも、 そんな自分が、一番嫌いだった。