感想ノート

  • 読了後、胸がじんわりとしました
    自殺志願者の主人公、彼女に興味を持ちぐいぐいと土足で心の中に入り込もうとする先輩という切り口から一気にこの作品に惹き込まれました。
    この物語を読んでいて特に最初に強く共感したのは、森くんの言う「誰かの作ったトラウマ」でした。それは人の人生を狂わせ得る、本当にそうだと感じました。
    そして日野川先輩と水葉の真夜中の補習を経て合宿から帰宅し、お母さんが水葉のずっと欲しかった「愛してる」を伝えるシーン。何度読んでも自然と涙が流れてしまいました。大きすぎる水葉の抱えていたものが少しずつ解放された瞬間だったと思います。
    三人が家を出る前、あの時のお父さんの真意は分からなくとも、たった一度の "愛していない" が呪いのように何度も降り掛かってくる感覚、私にはそれが他人のことだと思えませんでした。誰かのたった一言が良いことも、悪いことも、同じ言葉のはずなのにどうしてか悪い言葉ほど心に傷として残ってしまっていて。
    「感情が分からない」と感じていた頃の日野川先輩は黒猫と、彼女との縁に強い光のようなものを感じ見出していたのだと思います。悲しい気持ちを体現できなくても、その時確かに心は動いていたし、惹かれていたのだと。
    最後、日野川先輩の精一杯の返事に胸キュンでした。
    素晴らしい作品をありがとうございました。

    芥山幸子 2021/02/15 19:38

    わんわんぬ様、はじめまして!
    長文の感想、本当に嬉しいです(´;ω;`) ありがとうございます!!
    皆トラウマを抱えて苦しんでいて、根本的な解決方法は見つからないけれど、前を向いて歩いていく。そんな思いをこの作品に込めました。
    最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!

    作者からの返信 2021/03/12 14:49

感想ノートに書き込むためには
会員登録及びログインが必要です。

pagetop