「莉子。少しは何か食べなきゃ」
 

お母さんはそう言って、温かいスープを作ってくれた。



「おいしい?」

「うん……」
 


隣に座るお母さんに見守られながら、しばらく黙々とスープを飲んでいたあたしは

ふと、スプーンを持つ手を止めた。



「お母さん。この頃、夜勤少なくない?」


「えぇ。他の人に代わってもらってるから」
 


それって……あたしをひとりにしないため、だよね?


そういえばお姉ちゃんも、最近は夜遊びをせず家にいることが多いし。
 

真由ちゃんはしょっちゅう、様子を見に来てくれる。


ミツルやシンさんも、何度も電話をかけてくれる。