『夕方までには帰るよ』だって。わっ。夫婦みたい…。

新婚のような会話をしてることに気付いてドキドキしながらも…別のことが頭に過ぎる。



捜査二課長のこと。



…いやいや。

捜査二課長を通して、気付いたことだったりする。



『世界平和も大事な部下も俺自身の身も、俺が絶対に護ってみせる!』

『俺は、俺の中の俺を超える!』



ドラマの中の、はちゃめちゃ無謀設定だけど。

でも、この名台詞で我に返って、現在置かれているこの状況を冷静に、冷静に考えることだって出来た。

捜査二課長、ばんざい。



俺は…俺の中の答えを出す。






決意を固めたその日の晩はーーーいつもよりも長く、深く眠りについた。

果てしのない『白』の世界に、誘われるように。



そこにはやはり、いる。

佇んでいる、細い線の儚げな彼が。



『…どっちにするか、決めたの?』



やはり彼は、俺の出す答えを待っていた。

その問いに決意を乗せて、深く頷く。



…けれど。

どっちにするか決めたというよりは。

俺は、俺のしたいようにするんだよ。