「ふーん。オトナな答えだよね」

「ええ、オトナですから。…剣軌くん。リグ・ヴェーダは仮にも人間です。『殺し』は許されませんからね?前にも言った通り、『魔力を奪って生捕り』です。彼にはこっちの法律でも裁かれることはたくさんあります」



そう、ヤツは魔力を駆使すれど、半分魔族でもれっきとした人間なのだ。

この国に戸籍を置いている、人間。

それを忘れちゃいけない。



「………」

「こら、返事しなさい」

「そのセリフは警察官として?」

「そうですし、人としてもですよ」



すると、カフェのドアが鈴の音を鳴らして開く。

そこには、待ち人が来たる。



「お、神威さん来ましたね」

「…拓狼さん、自分を騙し騙し生きることも『正義』じゃないでしょ?」

「まだその話題ですか」

「…始まるよ?『夢殿争奪戦』」




『正義』とは、何か。








   俺のボディガードは陰陽師。
~第五幕・白昼夢~