キミと、光さす方へ

「問題は相手だ」


「え?」


あたしは驚いてお父さんを見つめた。


「退院してきたあの子と一緒にいたのよね?」


「え、うん。そうだよ」


あたしはお母さんの質問に何度も頷く。


1度家に連れてきたことがあるから、お母さんは直哉の顔を知っている。


「あの子はダメだ」


お父さんが腕組みをして、キッパリと言いきった。


その瞬間頭の中が真っ白になる。


男女交際は問題ない。


でも、直哉はダメ。


そう言われているのだと理解するまでに時間がかかった。


理解していくと同時に怒りが湧いてくる。


「なんでそんなこと言うの!?」


思わず大きな声を出していた。


直哉は初めて自分から手を伸ばした幸せだった。


勇人のときと違って、まだまだ困難があることも分かっている。


それでも好きで、どうしようもなくて、やっと思いが通じたんだ。