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数時間が経過して朝が室内を照らし出したとき、あたしは弟の遺影に手を合わせた。


写真の中の弟は3歳のまま成長しない。


その純粋で汚れを知らない笑顔に胸の中がギュッと痛む。


あたしがもっと気を付けてあげていれば。


あたしが弟と一緒に出かけなければ。


あたしが弟の後ろを走っていれば。


そんなことを何度も何度も、数えきれないほどに考えてきた。


あの時のことを両親はなにも言わないけれど、本当はあたしを恨んでいるのではないかと悩んだ時もある。


あたしはお姉ちゃんなのに、弟を守ることができなかったんだ。