「……私も、隆也のことが好き」


だから伊波がそう笑い返してくれた時、今なら死んでもいいとさえ思ってしまうほどに、最大級の幸福を噛み締めていた。
俺はいつの間にか伊波と両想いになれていたようだが、これは最低な男が手にするには十分すぎる幸せだろう。
昼間から盛っていた俺達のその後は、なんともあっさりしているものだった。

淡白な伊波はスイッチの切り替えが非常に上手いらしく、服を着終わった頃には先程の色っぽい姿はどこへいったのやらという様子でけろっとしていた。
初体験のあとのくせに「お互い恋人がいるのにこんなことしちゃって、私達最低同士お似合いなんじゃない?」などと笑える辺りは伊波らしいというか。
そんなおちゃらけているところも含めて魅力的だなと思う。