「……んっ……ま、せ……」
「もう少しだから」


痛みは大分和らいできたのか、次第に恥じらいながらも甘くくぐもった声を出すようになった伊波に興奮が増す。
理性なんてとっくに失っていた。
ただ本能の赴くままに律動を繰り返して、生理的な涙を浮かべる伊波を見つめながら絶頂を目指した。


「っ、ごめん、好きだなぎさ……!あの時からずっと!」


お互いの恋人がいるのに好きだなんて伝えたらいけないとわかっていた。
だけどこうなってしまった今引き返せるわけがない。

欲を吐き出しながら俺は、伊波への愛情を無意識に口にしていた。
思えば今まで下の名前で呼んだことなんてなかった気がする。
今の彼女とは下の名前で呼び合う仲なのに。

背徳感は大きかったが、それ以上に達成感に近いものがあった。
やっと長年想い続けてきた伊波に、この口で直接好きだと伝えることができた。
ごめんな伊波。こんなこと言われても迷惑かもしれないけど、苦しくなるほどにお前が好きなんだ。