翌朝、バイキング形式の朝食を食べながら俺は悶々としていた。

彼女にはなんとなく自分の口から伝えにくかった。
ただ、伝えずとも自然とバレるだろうから、やっぱり事前に言っておいた方が面倒なことにならないだろう。
多分他の女子を連れたうえで、俺達と行動を共にするつもりでいるっぽいし。
昨日の夕食時にアイツらとそんな感じの会話をしていたような気がする。
記憶が曖昧なのは、その時の俺の脳内は伊波のことで埋め尽くされていて、ほとんどの話を聞き流していたからだ。
伝え方はテキストという手段もあるけど、それだと申し訳ないという誠意が足りなくなるだろうし、直接顔を合わせて言うのが一番だろう。
なんにせよ嘘を吐いたうえで、ちゃんと伝えないといけない。なんて言えば誤魔化せるだろうか。

今日の自由時間までもう時間はあまりない。林崎と作田は今向こうでご飯を取りに行っている。タイミング的には今がチャンスかもしれない。
悪知恵を働かせ悩んでいた俺はそう思って彼女の存在を探していたら、ラッキーなことに彼女の方が俺のもとに来てくれた。