早くも大人の女性になる過程にいる雰囲気を漂わせている伊波だったが、幼い子供のようにはしゃぐ姿はあの頃の伊波を思い出させてくれた。
体育の授業の時は特に張り切っていた時の伊波は、それこそこんな風にみんなと笑い合っていたっけ。
それでサッカーの対決で俺からボール奪った時なんかはドヤ顔していて、それもすごく可愛かったのを覚えている。
次から次へと流れ込んでくる当時の映像を懐かしく感じていると、伊波がまた首を傾げた。
「で、なんで間瀬だけここに?周りに他の生徒いないみたいだけど」
「あー、いや、彼女の帽子が飛ばされたみたいでさ。探しにきたんだ」
「彼女いるんだー!だよねぇ!間瀬すっごい背伸びたし、声も低くなって、めちゃくちゃカッコ良くなったもん!」
咄嗟に嘘をつけなくてそのまま彼女の存在を露呈してしまったが、弾んだ声で並べられた褒め言葉に、俺は複雑な心境に陥った。
こんな風に褒められること滅多にないから本当は素直に喜びたかったが、好きな女に彼女がいることをあっさり認められるのが辛かったのだ。
俺はまだ伊波のことが好きなのに。
そんなに褒めてくれるならいっそお前が俺の女になってくれれば良いんだ。
なんて言うのは、つまらない戯言だろうか。
体育の授業の時は特に張り切っていた時の伊波は、それこそこんな風にみんなと笑い合っていたっけ。
それでサッカーの対決で俺からボール奪った時なんかはドヤ顔していて、それもすごく可愛かったのを覚えている。
次から次へと流れ込んでくる当時の映像を懐かしく感じていると、伊波がまた首を傾げた。
「で、なんで間瀬だけここに?周りに他の生徒いないみたいだけど」
「あー、いや、彼女の帽子が飛ばされたみたいでさ。探しにきたんだ」
「彼女いるんだー!だよねぇ!間瀬すっごい背伸びたし、声も低くなって、めちゃくちゃカッコ良くなったもん!」
咄嗟に嘘をつけなくてそのまま彼女の存在を露呈してしまったが、弾んだ声で並べられた褒め言葉に、俺は複雑な心境に陥った。
こんな風に褒められること滅多にないから本当は素直に喜びたかったが、好きな女に彼女がいることをあっさり認められるのが辛かったのだ。
俺はまだ伊波のことが好きなのに。
そんなに褒めてくれるならいっそお前が俺の女になってくれれば良いんだ。
なんて言うのは、つまらない戯言だろうか。



