「風で飛ばされたんじゃねーの」
「かなぁ?もー、隆也ずっとここにいたのになんで気付かなかったのさー!」
「あーはいはい。なら俺が探してきてやるから」
ちょうど一人になりたかったから、この状況を有効活用させてもらうとするか。
彼女のために海水浴より探し物を優先するなんて紳士的な口実ができたことに、内心ラッキーと思いながら俺はパーカーをはおって歩き出す。
足の裏とサンダルの隙間に入ってくる砂を鬱陶しく感じつつも、適当に周辺を歩いて聞き込みをしながら足を進めた。
波に流されてなきゃいいけど。
「――ぁ……」
周囲に同じ学校の生徒を見掛けることもなくなり、知らぬ間に随分遠くに来てしまったのだと感じた頃、前方にサーフボードを抱えている海パン姿の男がいた。
その手にはあの帽子が握られていたから、探していた物が第三者の手に渡っていたことを確認できて安堵する。
「かなぁ?もー、隆也ずっとここにいたのになんで気付かなかったのさー!」
「あーはいはい。なら俺が探してきてやるから」
ちょうど一人になりたかったから、この状況を有効活用させてもらうとするか。
彼女のために海水浴より探し物を優先するなんて紳士的な口実ができたことに、内心ラッキーと思いながら俺はパーカーをはおって歩き出す。
足の裏とサンダルの隙間に入ってくる砂を鬱陶しく感じつつも、適当に周辺を歩いて聞き込みをしながら足を進めた。
波に流されてなきゃいいけど。
「――ぁ……」
周囲に同じ学校の生徒を見掛けることもなくなり、知らぬ間に随分遠くに来てしまったのだと感じた頃、前方にサーフボードを抱えている海パン姿の男がいた。
その手にはあの帽子が握られていたから、探していた物が第三者の手に渡っていたことを確認できて安堵する。



