「わりぃ。なんかあんまり調子良くねーからさ、あとで混ざるわ」
「オッケー。ほんじゃオレら競争でもして待ってるから~」
「いや林崎相手じゃ勝てる気がしないんだけど」
断わりをいれた俺のもとを離れていく林崎と作田に、申し訳なさを感じつつも安堵する。
俺は林崎と違って元々泳ぐのが好きじゃない。
寧ろガキの頃チビだったから、足がつかなくて溺れかけたのがトラウマになっているくらいだ。
ただこれをカナヅチと呼ばれるのはいささか不服がある。
別に水が怖いとかそういうわけじゃなくて、そう、とにかく今は本当に泳ぐって気分じゃないんだ。
強くなってきた日差しに目を細めていると、不意に彼女が帽子が無いと騒ぎ出した。
人気モデルがデザインを手掛けた結構高値の物で、この旅行のために奮発して買ったのだと、空港でやたらアピールしていたくらいだ。
相当気に入っているのだろう。真剣な表情できょろきょろと周囲を見回している。
「オッケー。ほんじゃオレら競争でもして待ってるから~」
「いや林崎相手じゃ勝てる気がしないんだけど」
断わりをいれた俺のもとを離れていく林崎と作田に、申し訳なさを感じつつも安堵する。
俺は林崎と違って元々泳ぐのが好きじゃない。
寧ろガキの頃チビだったから、足がつかなくて溺れかけたのがトラウマになっているくらいだ。
ただこれをカナヅチと呼ばれるのはいささか不服がある。
別に水が怖いとかそういうわけじゃなくて、そう、とにかく今は本当に泳ぐって気分じゃないんだ。
強くなってきた日差しに目を細めていると、不意に彼女が帽子が無いと騒ぎ出した。
人気モデルがデザインを手掛けた結構高値の物で、この旅行のために奮発して買ったのだと、空港でやたらアピールしていたくらいだ。
相当気に入っているのだろう。真剣な表情できょろきょろと周囲を見回している。



