「いっけない!」


本文を確認して慌てる私の声が部屋に響く。
長らく思いに耽っていたせいで忘れかけていたが、これからアニキーからサーフィンを教えてもらう予定があったのだ。
アニキがせっかく仕事が休みだから貴重な時間を割いて付き合ってくれるっていうのに、待たせてしまうなんて失礼にも程がある。
今日は奥さんとお子さんも一緒にいるっていってたし尚更急がなきゃ。

色紙を元の位置に戻し、ベッドの横に投げていた荷物を持つなり、私は勢いよく部屋を飛び出した。