「アニキへ。お久しぶりです。アニキは奥さんと沖縄で元気にやっていますか?私は相変わらず元気いっぱい毎日を過ごしています。そうそう、明日そちらに帰ることになりました。ちょっぴり名残惜しいけれど、茨城での生活はいっぱい堪能したし、早くみんなに会いたいからとても楽しみです。ところで、文章を書くのが苦手な私がこの手紙を書いたのには大事な理由があります。いきなりこんなこと言われても困るかもしれないけど、私はずっとアニキのことが好きでした。もちろん、近所に住んでいる面倒見の良いお兄さんとしてではなく、一人の男性としてです。……ッ、だから、アニキが結婚するって知った時……実は、すごく、悲しかった、です……っ」


国語の朗読を想起させるような、ハッキリとした口調が段々と途切れ途切れになってきた。