今度は二人きりだ。
思えば伊波と顔を合わせられるのは、あのうるさいクラスメイトに囲まれた学校という環境だけであったから、こうして二人だけで会話できるのは初めてかもしれない。
緊張の糸がピンと張る。
「部活まで暇だから、ちょっとサイクリング的な……」
「なるほど!健康的でいいですな~」
咄嗟に取り繕ったそれっぽく聞こえる俺の嘘に笑う伊波は、昨日持っていた金平糖が入った小瓶の他に、白い無地のビニール袋を持っていた。
恐らくあの店で買った駄菓子だろう。結構甘い物好きなのだろうか?
そういえばいつだか給食で、欠席者分の余った給食を手にすべく、男子の輪に混ざってジャンケンをしていたりもした。
その時パーで一人勝ちした伊波がブイサインとともに掲げていたのは、確かデザートのチョコレートムースだった気がする。
取っ手の部分を縛ったビニール袋をくるくると回転させながら楽しそうにテトラポットの方へ向かう伊波に、俺は自転車を押しながらついていくことにした。
自転車が見当たらないから徒歩で来ているようだ。確かに徒歩で来ようと思えば来れる距離だもんな。
思えば伊波と顔を合わせられるのは、あのうるさいクラスメイトに囲まれた学校という環境だけであったから、こうして二人だけで会話できるのは初めてかもしれない。
緊張の糸がピンと張る。
「部活まで暇だから、ちょっとサイクリング的な……」
「なるほど!健康的でいいですな~」
咄嗟に取り繕ったそれっぽく聞こえる俺の嘘に笑う伊波は、昨日持っていた金平糖が入った小瓶の他に、白い無地のビニール袋を持っていた。
恐らくあの店で買った駄菓子だろう。結構甘い物好きなのだろうか?
そういえばいつだか給食で、欠席者分の余った給食を手にすべく、男子の輪に混ざってジャンケンをしていたりもした。
その時パーで一人勝ちした伊波がブイサインとともに掲げていたのは、確かデザートのチョコレートムースだった気がする。
取っ手の部分を縛ったビニール袋をくるくると回転させながら楽しそうにテトラポットの方へ向かう伊波に、俺は自転車を押しながらついていくことにした。
自転車が見当たらないから徒歩で来ているようだ。確かに徒歩で来ようと思えば来れる距離だもんな。



