「さっくん金平糖食べる?」
「え、オレ甘いのあんまり得意じゃな、」
「いいからいいから!ほらあ~んして!」


伊波は数粒金平糖を手にすると、作田の方に腕を回して面白そうに笑っていた。
伊波にとって女子に対し少しシャイな作田はからかい甲斐のあるキャラらしく、とても気に入っているようだった。正直、あだ名で呼ばれている作田を羨ましくも思う。
林崎も林ちゃんという愛称をつけられていて、普通に苗字呼びをされているのが自分だけという点は劣等感を抱かずにはいられない。


「オレにもちょーだい!」
「あいよっ」


軽快なノリで投げた金平糖は見事林崎の口の中に放り込まれた。
その光景はまるで芸達者な犬のようだった。