♤ 「すき......っ、」 ────ぽろり、と溢れた言葉は 心のなかで呟いたつもりだったもので。 「(や、っちゃった.....っ)」 はっと口を押さえても、もう遅い。 おそるおそる顔を上げると、キョトン顔の────幼なじみのすがた 七和 浬(ななかわ かいり)、わたしの幼なじみ。 「なこ、」 「っごめんなさ....っ、」 ....あぁ、やってしまった 伸ばされた手を振り払って、わたしは浬くんの部屋を飛び出したのだった。