「は、花!」

「寿貴先生! フフフ…お待たせしました。」

寿貴先生のブートニアが私と同じ薔薇に変わっている。

「花…可愛い…。」

「そ、そう? 
……え、ちょ、ちょっと! 何してるの⁉︎」

「なにって、こんなに可愛いんだ。
待ち受けにしたい…。あ、もうちょっとブーケ上げて? ほら、ニコッて……そうそう!」

おもむろにスマホを取り出し、私の撮影を始める寿貴先生。

「…お前…、バカか⁉︎
花ちゃんが可愛いのはわかったから。皆さんお待ちだ。集合写真が終わってからにしろ。」

そう言って止めてくれたのは春彦先生。
さすが常識派。

「あ、そ、そうだったな…じゃあ、あと一枚だけ。」

「寿貴先生…。後で撮影の時間取るから。
ほら、花ちゃんと真ん中に立って。」

呆れた賢人くんが寿貴先生を連れに来た。
もう! 可愛いって言ってくれたのは嬉しいけど、恥ずかしい〜〜!

「寿貴がここまで変わるなんてなぁ…。花ちゃんに出会うまでは考えられなかったことだよ。」

「周さん…」

女嫌いで有名だったものね。
今じゃ、懐かしい気がするよ。



「さ、花様。お写真ですよ。」

時岡さんの合図で、撮影が始まった。