地味で根暗で電信柱な私だけど、あなたを信じていいですか?

「ゆかりさんお帰りなさ……」

 部屋に戻った私に声をかけた長野ちゃんだったが最後まで言い終えぬうちに固まった。

 そのくらい私は酷い顔をしていたのだろう。さすがに他のみんなも心配して「どうしたの?」とか「具合でも悪いの?」とか訊いてきた。

 私は「ちょっと休めば大丈夫」と応えて長野ちゃんの隣に座る。はぁっと盛大にため息をついた。

「佐藤さんだった」
「えっ」

 唐突に話を始めた私に長野ちゃんが戸惑う。

 私は構わず続けた。

「長野ちゃんが見たの佐藤さんだったよ。それと女の子もいた。抱き合ってた」
「えっとぉ」

 そこに正答を求めるように長野ちゃんが中空に視線を走らせる。でもそんなところに答えがあるなんて私には思えなかった。あったら私が知りたい。