食事を終え、エレヴォスは城にある中庭にセンジュを連れ出した。
魔界の夜は真っ暗で、灯りが無いと何も見えない程だった。
幸い今日は月明かりがほんのりと辺りを照らしている。
中庭に入ると外灯の淡い光が列をなしていた。
小道を歩くと整ったトピアリーが並んでいて、鉄と木材で作られたおしゃれなベンチを見つけた。
「綺麗な場所ですね」
「ええ、私もここが好きです。こちらで休みましょうか」
「はい」
ガーデンベンチに2人並んで座る。
「今日の晩餐はいかがでしたか?」
「とても美味しかったです。ありがとうございました」
「それはよかった」
エレヴォスは常に笑顔を絶やさない。
誰もがこの笑顔に屈してしまうだろう。
包み込むような大らかな雰囲気を纏っている。
「センジュは平和が好きですか?」
唐突な質問にセンジュは少し不思議そうに首を傾げたが頷いた。
「はい」
「この魔界は割と平和だったのですが・・昨今、暗躍している者たちが表面に出てきました」
「裏・・四大魔将ですか?」
「ええ、本来四大魔将は魔王が名付けた名誉ある戦士の称号です。それを使い悪行を働いている・・決して許せることではありません」
「何故・・なんでしょうか」
「平和だからでしょうね」
「良い事じゃないですか」
「フフ・・まあ、それに越したことはないのですが。魔族には血の気が多い者もいます」
「そ、そうなんですか」
「その力は本来、天界族との闘いで発揮してもらいたいところですけどね」
「天界?」
「人間はあの者達を天使と呼んでいますね」
「え!?天使!?いるんですか!?」
目を丸くしたその驚き様にエレヴォスは声を出して笑った。
「フフフ・・センジュは本当に可愛らしい。我々魔族がいるのですから、そんなに驚かなくても」
「あ・・・そ、そっか・・いてもおかしくないって事ですね」
「ええ。そういう事です。因果の関係にありますから、常に敵対してきました。しかし最近は衝突もなく静かです。なのでここ数年は平和だったのですが・・」
「・・そんな・・暇だからって何をしても許されるわけじゃないですよね」
「ああいう輩は何処にでもいるのです。種族が違っても、同じ魔族でも、人の幸せを壊そうとしてくる者達は」
「そう、ですね・・人間にも沢山います」
「ええ、残念ですがね」
「はい・・」
センジュはエレヴォスの言葉に納得し決意した様に頷いた。
_やっぱり魔界で暮らす以上は、自分くらい守れるようにならなきゃ駄目なんだ。怖いけど・・自分でなんとかしなきゃ。
魔界の夜は真っ暗で、灯りが無いと何も見えない程だった。
幸い今日は月明かりがほんのりと辺りを照らしている。
中庭に入ると外灯の淡い光が列をなしていた。
小道を歩くと整ったトピアリーが並んでいて、鉄と木材で作られたおしゃれなベンチを見つけた。
「綺麗な場所ですね」
「ええ、私もここが好きです。こちらで休みましょうか」
「はい」
ガーデンベンチに2人並んで座る。
「今日の晩餐はいかがでしたか?」
「とても美味しかったです。ありがとうございました」
「それはよかった」
エレヴォスは常に笑顔を絶やさない。
誰もがこの笑顔に屈してしまうだろう。
包み込むような大らかな雰囲気を纏っている。
「センジュは平和が好きですか?」
唐突な質問にセンジュは少し不思議そうに首を傾げたが頷いた。
「はい」
「この魔界は割と平和だったのですが・・昨今、暗躍している者たちが表面に出てきました」
「裏・・四大魔将ですか?」
「ええ、本来四大魔将は魔王が名付けた名誉ある戦士の称号です。それを使い悪行を働いている・・決して許せることではありません」
「何故・・なんでしょうか」
「平和だからでしょうね」
「良い事じゃないですか」
「フフ・・まあ、それに越したことはないのですが。魔族には血の気が多い者もいます」
「そ、そうなんですか」
「その力は本来、天界族との闘いで発揮してもらいたいところですけどね」
「天界?」
「人間はあの者達を天使と呼んでいますね」
「え!?天使!?いるんですか!?」
目を丸くしたその驚き様にエレヴォスは声を出して笑った。
「フフフ・・センジュは本当に可愛らしい。我々魔族がいるのですから、そんなに驚かなくても」
「あ・・・そ、そっか・・いてもおかしくないって事ですね」
「ええ。そういう事です。因果の関係にありますから、常に敵対してきました。しかし最近は衝突もなく静かです。なのでここ数年は平和だったのですが・・」
「・・そんな・・暇だからって何をしても許されるわけじゃないですよね」
「ああいう輩は何処にでもいるのです。種族が違っても、同じ魔族でも、人の幸せを壊そうとしてくる者達は」
「そう、ですね・・人間にも沢山います」
「ええ、残念ですがね」
「はい・・」
センジュはエレヴォスの言葉に納得し決意した様に頷いた。
_やっぱり魔界で暮らす以上は、自分くらい守れるようにならなきゃ駄目なんだ。怖いけど・・自分でなんとかしなきゃ。


