魔界の華は夜に咲く

離れにあるバルコニーに案内された。
目の前に広がるのは立派な池だった。時折魚が跳ねている。
周りには花々が咲き乱れていた。その先には果実の実木々が並んでいる。
オレンジやリンゴ、ブルーベリー、イチゴも生っていた。

「綺麗な景色ですね」

「ああ、見晴らしがいいだろ。果物はリディのお気に入りだ」

「フフ・・」


侍女が紅茶を入れようとするが、その手は少し緊張している様だった。


「王女様にお会いする事が出来るなんて・・身に余る光栄でございます」

「そんな・・」


否定しようとしたセンジュに対しアルヴァンは笑う。


「まだ自覚していないんだな。そこは素直にありがとうって言えばいいだろう」

「あ、はい」

「お前は誰がなんと言おうとベリオルロス様の娘なんだからな」

「あたちはとうしゃまのむすめー」


隣の席で楽しそうにお菓子を食べているリディ。
逐一癒される存在だ。
澄んだ瞳にきゅんとする。


_こんなに可愛いのに・・本当に2人はお互いに興味がないのかなぁ。


「なんだその顔、そんなに俺の嫁が気になるか」


ドキン!


「え!?いやいやいや・・違いますよ!」

「まあ、悪いがな。屋敷の方で取り込み中だ」

「え?」


アルヴァンの口からすんなりと零れた。