「具合はどう?」

「……頭が少し痛いです」



ヤバい。返事をするだけでも精一杯なくらい、頭が回らない。

電車で帰ってたら倒れてたかも。
言うこと聞いといて良かった。



「本当に大丈夫? お兄さんに連絡したほうが……」

「大丈夫です。寝てれば治りますから」



後部座席に乗り、横になったまま答えた。

さすがにこれ以上はお世話になるわけにはいかない。



雨が降ってて渋滞していたのもあり、着いたのは夕方の6時過ぎだった。


靴を脱いで真っ先に浴室へ向かい、お風呂を沸かす。

制服を脱ぐ気力がなかったため、そのまま夕飯の準備を進めることに。



「今日は野菜スープにするか」



前もって切っておいた野菜と、スープの素と水を鍋に入れた。


っ……頭がボーッとしてきた。

あと少しだけ耐えるんだ。
今日は宿題がないから、お風呂に入った後すぐ寝られる。

パジャマは厚手の長袖を出しておこう。



「いただきます」



完成した野菜スープを一口飲んだ。

……あれ、あまり味がしない。
ボーッとしてて分量間違えたかな。


食事を終えてお風呂に入り、体を温めた後、一気に脱力。

家事をする気力もなく、ベッドに倒れ込んだ。