「顔色悪いし、無理しないで5時間目休んだら?」
「大丈夫です。授業に集中できないくらい酷くはないので」
先生からお湯が入ったマグカップを受け取り、手を温める。
気遣いはありがたいけど、くしゃみが出るくらいで休みたくない。
「それなら帰り、家まで送るよ」
「そんな、悪いですよ。遅くなったら奥さんに心配かけちゃいます」
海先生は、俺がほぼひとり暮らし状態なのを知っており、放課後は駅まで送ってくれたり、学校が早く終わる日は、時々遊びに誘ってくれるんだ。
厚意に甘えているけれど、今年の春に先生が結婚したので、最近は遠慮している。
新婚ホヤホヤだから、あまり遅い時間までお世話になると奥さんに申し訳ないし。
「でも、体調が悪い生徒を放っておけないよ。もし電車内で倒れたらどうするの」
「冬川くん、ここは先生の言う通りにしたほうがいいよ」
先生と水沢くんから心配そうに見つめられ、心が揺れ動く。
「……じゃあ、お願いします」
◇
「お待たせ。大丈夫?」
「……はい」
5、6時間目、寒さに耐えながら授業を受けたものの。
悪化してしまい、もう笑う気力もないくらい限界がきていた。
「大丈夫です。授業に集中できないくらい酷くはないので」
先生からお湯が入ったマグカップを受け取り、手を温める。
気遣いはありがたいけど、くしゃみが出るくらいで休みたくない。
「それなら帰り、家まで送るよ」
「そんな、悪いですよ。遅くなったら奥さんに心配かけちゃいます」
海先生は、俺がほぼひとり暮らし状態なのを知っており、放課後は駅まで送ってくれたり、学校が早く終わる日は、時々遊びに誘ってくれるんだ。
厚意に甘えているけれど、今年の春に先生が結婚したので、最近は遠慮している。
新婚ホヤホヤだから、あまり遅い時間までお世話になると奥さんに申し訳ないし。
「でも、体調が悪い生徒を放っておけないよ。もし電車内で倒れたらどうするの」
「冬川くん、ここは先生の言う通りにしたほうがいいよ」
先生と水沢くんから心配そうに見つめられ、心が揺れ動く。
「……じゃあ、お願いします」
◇
「お待たせ。大丈夫?」
「……はい」
5、6時間目、寒さに耐えながら授業を受けたものの。
悪化してしまい、もう笑う気力もないくらい限界がきていた。