「北松さんが、『今日の格好はあざとい女の子に見えるか』って聞いてきてさ」



中庭にやって来た詩恩に水沢くんがいきさつを説明。

すると、またまた溜め息をつかれた。



「朝から先輩の彼氏になんてこと聞いてんだ」

「詩恩の友達だから大丈夫かなと思って。ビックリさせちゃってごめんね!」

「いや、大丈夫だよ」



苦笑いで許してくれた水沢くん対し、詩恩はやれやれと呆れ顔。

本当は昼休みに会いにいく予定だったけど、この際なので聞いてみた。



「今度はぶりっ子スタイルですか」

「もう……2人してぶりっ子って。あざといって言ってよ」

「残念だけど、俺はそういうの好きじゃないから。むしろ悪寒がする」

「お、悪寒……⁉」



ひっど! そこまで言わなくてもよくない⁉
全国のあざとい女の子達に謝りなさいよ!



「先月からコロコロとキャラを変えて……下心が見え見えなんだって」

「うっ……」

「とにかく、そういうキャラは生理的に受けつけないから」



と、抑揚のない声でバッサリ言い切って去っていった。

はぁぁ⁉ そっちだって先輩と先生にデレデレしてるくせに! 同族嫌悪かよ!