直接お礼がしたいけど……名前がわからないからなぁ。検討もつかない。

せめてクラスだけでもわかれば。



「こうなったら校門で待ち伏せするしかない!」

「やめなさい。それストーカー行為よ」

「うぅ……じゃあどうしたらいいのー」



ハッキリと却下され、ガクンと肩を落とす。

誰かあの人のこと、知ってる人いないかな……。







「先生、こんにちは!」

「おお、北松さん。こんにちは」



学校が終わった瞬間、ダッシュで保健室に向かった。

保健室の(かい)先生は20代後半で、他の先生達より年が近め。
そのため、よく生徒の相談に乗っている。

生徒達と仲良しだから、もしかしたら何か知ってるかもしれないと思って聞いてみることにしたんだ。



「あの、聞きたいことがあって。人を捜しているんですけど」

「わかった。とりあえず座ろうか」



早口で話す私を落ち着かせ、一旦座るよう促した先生。

ソファーに腰かけ、とりあえず覚えている彼の特徴を並べる。



「まず、その人、顔がすっごく綺麗で雪みたいな白い肌してて、まつ毛は長めで。あと、声は低めだけど優しい感じでした! 多分、私より頭1個分ぐらい背が高かったと……」

「あーあーあー、ちょっと整理させて?」