ペコペコと頭を下げながらヘアピンを受け取る。
全然見つからないと思ってたら、拾ってくれてたんだ。
「本当にありがとうございました! これ、お気に入りだったんです!」
「そうだったんですか。それは良かったです。
もうなくなさいでくださいね」
「あっ……」
感謝を伝える私に優しい笑顔を見せた彼。
「じゃあ」とお辞儀をして、小走りで去っていってしまった。
名前、聞きたかったな。
◇
「それでね! もう顔面が美! って感じだったの!」
「そんな美少年だったんだ」
「うん! もう性別を超えた美しさって感じだったよ……」
ホームルーム後の教室にて。
自己紹介と委員会決めが終わり、時間が余ったので、千夏に先程の男の子について熱く語った。
イケメンに会っただけでここまで興奮することはないんだけど……。
なんとなく、昔好きだった子に似てたから、テンションが上がっちゃったんだ。
「それで、名前は聞いたの?」
「ううん。走り去っていっちゃったから聞けなかったの」
すぐ気づいて下りたから良かったものの。
もし私が来なかったら、彼はあそこでずっと待ち続けていたかもしれない。
全然見つからないと思ってたら、拾ってくれてたんだ。
「本当にありがとうございました! これ、お気に入りだったんです!」
「そうだったんですか。それは良かったです。
もうなくなさいでくださいね」
「あっ……」
感謝を伝える私に優しい笑顔を見せた彼。
「じゃあ」とお辞儀をして、小走りで去っていってしまった。
名前、聞きたかったな。
◇
「それでね! もう顔面が美! って感じだったの!」
「そんな美少年だったんだ」
「うん! もう性別を超えた美しさって感じだったよ……」
ホームルーム後の教室にて。
自己紹介と委員会決めが終わり、時間が余ったので、千夏に先程の男の子について熱く語った。
イケメンに会っただけでここまで興奮することはないんだけど……。
なんとなく、昔好きだった子に似てたから、テンションが上がっちゃったんだ。
「それで、名前は聞いたの?」
「ううん。走り去っていっちゃったから聞けなかったの」
すぐ気づいて下りたから良かったものの。
もし私が来なかったら、彼はあそこでずっと待ち続けていたかもしれない。



