「なんで嫌なの⁉ もしかして双子座嫌い⁉」

「違う。こんなお調子者と仲間だったら嫌だなってだけ」

「なんだよぉ! 酷いよぉ……っ!」



ホロスコープって、誕生日の星座だけじゃなくて、水星とか金星とかの他の惑星の星座もわかるんだっけ。

これだけ天体があるのなら、山羊座以外の星座も入ってそう。


こんなおしゃべりマシンと一緒にされるなんてたまったもんじゃない。


泣きマネし続ける彼に頭を抱えていると、再びバッグをガサゴソと漁る音が聞こえてきた。


……また何か持ってきたのか?
溜め息をついて横目で見ると。



「お前……っ! 何してんだよ!」



なんと健は俺のスクールバッグを漁っていたようで。
ニヤついた顔で俺の生徒手帳を持っていた。



「ちょっとだけ……見せて?」

「やめろ! 個人情報だぞ! 今すぐ返せ!」



取り上げようとしたら華麗にかわされた。


インドアであまり運動しない俺に対し、健は運動神経がいいタイプ。

素早さで勝てるわけがなく……。



「詩恩ん家何回も行ってるから住所知ってるし~」

「そういう問題じゃねーんだよ! あっ、待て!」