ニヤニヤしながらバッグを漁り始めた健。
何かいいことでも書かれていたのだろうか。



「フフフ……聞いて驚け! 俺はなんと! 生粋の双子座だったことが判明した!」



バーン! と目の前に天空図を印刷した紙を見せてきた。

わざわざ印刷したのか。
というか、見せられても何が書いてあるのかさっぱりわからない。



「で? これ何て書いてあんの?」

「あぁごめんごめん。12星座は知ってるよな?」

「うん」

「まずな……」



勢いが激しくてあまり頭に入ってこなかったが、どうやら健が生まれた時、双子座のところにたくさん星が集まっていたらしい。

生粋なのかどうかはわからないけど。



「詩恩は山羊座だっけ?」

「そうだよ」



短く答えると、健の口角が何かを思いついたかのように怪しく上がった。

……なんか嫌な予感。



「詩恩の天空図も調べてみよっか!」



うわ、やっぱり。
なんでそんなにニコニコしてるんだよ。



「結構です。見てもわからないし」

「俺が解説するからさ! ほら、俺みたいに双子座に星があるかもしれないし!」

「……嫌だなぁ」



ボソッと呟いたのが聞こえたのか、健は血相を変えて俺の両肩を掴んできた。