「おはよう」

「おはよう冬川!」



電車に揺られること40分。
そして、駅を出て歩くこと10分。

学校に到着し、クラスメイトに挨拶して席に座る。


昔から変わり者と言われて、人と話すことが苦手だった俺はあまり友達がいなかった。

だけど、明莉と出会ったことで、少しずつ自分から心を開き始めた。


そして高校生になった今、相手が年上だろうが年下だろうが、年齢関係なく自分から挨拶している。

内面も変わった。

以前よりも人と交流するのが楽しいと感じる上、自分自身のことも、そんなに悪くないなって受け入れられるようになった。

全部明莉のおかげだ。



「詩恩! 今日部活行く?」

「あー、今日は休む。買い物行かなきゃいけないから」

「りょーかーい!」



1年の頃からのクラスメイトで、同じ天文部でもある星健(ほし たける)

初めて趣味を共有できた男子の1人。


彼は天空図を見るのが好きな月オタクで、星の動きを調べては記録しており、毎月新月や満月になる時間を教えてくれるんだ。



「実はこの前、自分の生まれた日の天空図も調べてみたんだよ!」

「へぇ。それで何かわかったの?」