詩恩side



「……またか」



冬川詩恩。宇宙大好き高校2年生。

屋上で星を眺める横で、テーブルに置いたスマホが振動した。


昔の友人である明莉と連絡先を交換して、1ヶ月弱が経過。

大量のメッセージと鬼電が来るだろうと思い、最初は断った。
けど、猛アタックに耐えられなくなり、渋々交換。

その後、予想通り、ほぼ毎日何かしら連絡が来るように。


観察から1時間も経ってないのに、これで3回目。
気になって集中できない。



「…………最悪」



マナーモードに設定しようとしたのだが……指が滑って通知メッセージをタップ。

【ねぇ、電話していい?】のメッセージに既読のマークがついてしまった。


あぁもう、今日は趣味を楽しみたいから全部スルーしてたのに。

ここで無視するとまた酷くなりそうだから、1回ガツンと言っておこう。


来たばかりのメッセージに【いいよ】と一言。

一瞬にして既読マークがつき、5秒も経たないうちに電話がかかってきた。



「はいもしもし」

「もしもし詩恩! いきなりごめんね。今大丈夫?」

「うん。何の用?」

「ふと声が聴きたいなって!」



はぁ……またしょうもないことか。