12月上旬の昼休み。

昼食を済ませた後、詩恩の教室へ向かった。



「失礼します!」

「何」



眼鏡をかけて本を読んでいる彼を見つけた。

文化祭でデレを見せたかと思いきや、結局いつものツンツン詩恩に戻ってしまったようだ。



「ねぇ……今度一緒に……デートしない?」

「そんなモジモジして……トイレ我慢してるんなら行きなよ」



この宇宙野郎!
相変わらず腹立つ言い方しやがって!



「トイレじゃない! デートに行きたいの!」

「行かない」



くっ……手強いな。
だが、断られるのは既に計算に入っている!



「これを見ても……⁉」



顔の前に、プラネタリウムの無料チケットを見せた。



「さぁ、どうする詩恩くん? こんなチャンス滅多にないよ?」



チケットをひらひらさせながら煽る。


実は星くんから、『詩恩と一緒に行ってきたら?』とペアチケットを譲ってくれたのだ。

半年前のリベンジを果たす時がきた……!



「星くんから聞いたよ? テスト後は一緒にショッピングモールに行ったらしいね? ってことは、プラネタリウムには行ってないはず。さぁ、どうする?」



よっしゃ! 噛まずに言えたぞ!