「大好きな親友へ。今日はたくさん人がいるので、名前は伏せて話します。

まず、いつも仲良くしてくれてありがとう。君と仲良くなってから、学校生活も休日も、趣味もすごく楽しめるようになりました。いつも冷たく当たっているけれど、本当は感謝しています」



これは……星くんのことだよね?
趣味って宇宙のことだろうし。



「5年前、変わり者な自分を受け入れてくれてありがとう。当時は、君の明るくて優しい笑顔と気遣いにとても助けられました。もちろん今も助けられてるよ。

おかげで今は、色んな人と楽しく話せています。 あと、僕は僕でいいんだって、自分を認められるようにもなりました。

大袈裟かもしれないけど……この5年間で人生が大きく変わったと思ってる。本当にありがとう」



5年前……? 小6……え、もしかして……。



「素直で真っ直ぐな君は、僕にとって温かい太陽のような、かけがえのない存在です。これからも僕の隣でずっと笑っていてください。詩恩より」



言い終わった瞬間、会場が大きな拍手に包まれた。


これってまさか……私のこと⁉

屈託のない笑顔で歓声を浴びている彼を、目を見開いたまま眺めたのだった。