「それ、本当に冬川くんが言ったの……? 都合良く言い換えてない?」

「いーや! 確かにそう言ってた!」



引っ越し先で友達ができるかを相談した時に、優しく笑って答えてくれたんだ。

これはハッキリ覚えている。



「どうしてあんなに冷たくなったんだろう」

「そうねぇ、こんなうるさい子になってたなんて思ってなかったんじゃないの?」



うっ……千夏さん!
ツッコミがキツいですよ……っ!



「明莉のことだから、このまま引き下がらないんでしょ?」

「もちろん! また昔みたいに仲良くなってやるんだから!」



理由もわからないまま諦めるのは悔しいし!

よーし! 早速作戦立てるぞー!



──1週間後の昼休み。


「失礼します。冬川くんはいますか?」

「はーい、ちょっと待ってね」



2組の教室に行き、彼を呼び出してもらう。


作戦その①「おしとやか作戦!」

前に詩恩が言っていた、「おとなしくて控えめな女の子」をイメージし、サラサラストレートヘアと膝下スカートで、第一印象の挽回を図る!



「冬川くーん、お客さんだよー」



今日は教室にいるっぽい。
ドアの前で聞き耳を立てる。