仕返しのつもりなのか、青石先輩の裏の顔を暴露し始めた。

水沢くんのほうがベタ惚れしているのかと思ったのだけど、青石先輩も負けてないらしい。

先輩がデレデレしてることより、気が強いってほうが意外で驚いた。



話に夢中になっていると、あっという間に別れ道に到着。



「じゃあまたねー」


「……ちょっと待ってください!」



自転車に跨ろうとしているところを呼び止めた。



「もしかして先輩────明莉に告白しようとしてますか……?」

「…………どうしてそう思ったの?」

「……男の勘です」



昼休みの時と同じ、低い声で尋ねられ、固唾を呑んだ。


黒瀬先輩には、明莉以外に仲がいい女子の後輩はいなかったはず。


それに、年齢、性格、顔立ち。

そして──例えの、活発な小動物に当てはまるのも明莉しかいない。


数秒間、無表情でお互いを見つめ合う。



「…………耳貸して」

「はい……」



沈黙を破った先輩に手招きされ、横を向いて耳を傾けた。



「やっぱ君────将来名探偵になれるよ」