翌日の昼休み。



「ごちそうさまでした~」

「はいよ~! いつもありがとね~!」



食堂で食器を返却し、教室に戻ろうと外に出たその時、後ろから誰かに肩を掴まれた。



「黒瀬先輩……!」



口に食べ物を詰め込んでいるのか、片手で「よっ!」とジェスチャーをしている。


そのハムスターみたいにモグモグしてる姿。

最近顔を合わせていない誰かさんを思い出した。



「────聞きましたよ。応援団の団長やるらしいですね」

「アハハ。いやぁ、まさか自分が選ばれるとは思ってなかったよ」



久しぶりに会ったので、食堂に近い校舎の階段に座り、少し話していくことにした。


黒瀬先輩は、今年は黄色組の応援団団長をするらしい。

ちなみに明莉のクラスは赤組、俺のクラスは青組。見事に綺麗に分かれた。


去年は青組が優勝したけど、俺のクラスは黄色組だったんだよな。



「もしも応援団の人気投票があったら、圧倒的に黄色組の勝ちでしょうね」

「そうかなぁ?」

「多分、大多数の女子達が黒瀬先輩に票入れると思います」

「えー? そんなに俺って人気なの?」

「はい。放課後、体育館で練習しているのをこっそり女子達が見学してましたから」