そういえばさっき、水沢くんのお姉さんのこと、好きだった(・・・)人って……。



「前は透瑠のお姉さんを理由に断ってたんだけど、今は新しく好きになった人がいるから断ってるんだ」



なるほど……って!



「いやいや先輩! そんなバレたら学校中が大騒ぎになるような秘密を私に話していいんですか⁉ そもそも私、さっきから口滑りまくってるんですよ⁉ うっかりしゃべってバレるかもしれないのに、どうして私にだけ話してくれたんですか⁉」



周りに誰もいないのをいいことに早口でまくし立てた。



「アハハハハ! 大袈裟な! そりゃあ仲良しの後輩だからだよ! 北松さんは、勝手に人の秘密をバラすような人じゃないでしょ?」



えええ⁉ それだけで⁉


待って明莉、推しから仲がいいと思われてる上に信頼されてるのよ⁉

ここは素直に喜ぶところ!


でも……こんな重大な秘密を1人で抱え込むなんて荷が重すぎるよぉぉーー!



「あとね、体育祭が終わったら、その子に告白しようと思ってるんだ」