「話戻るけどさ、その初恋の子は何て名前?」
「俺と同い年で王子様みたいな子なんだよね?」
「えくぼもあるんでしょ? どんな顔? 可愛い系? 綺麗系?」



口を挟む間もないくらいの勢いで尋ねられた。


今日の詩恩、おしゃべりすぎてなんか怖い。

さっき私と同じ物食べたよね? 朝ご飯に変な物でも食べてきたの?


二重人格並みの豹変ぶりに戸惑っていると。



「あ、ごめんね。俺と彼との共通点が多いからつい気になっちゃって」

「っ……!」



待って待って待って待って待って。
まさか、バレた……⁉

わわわわ、何て答えよう。


名前は絶対言えないし、顔の特徴も同じだから、言ったら100パーセントツッコまれる。


嘘は……ダメだ。下手だからすぐバレる。
正直に話せよって怒るかもだし……。



「おーい、聞こえてるー?」



黙り込んでいたら目の前で手を振ってきた。


どうしようぅぅぅ。顔見れないよぉぉぉ。

でもずっと黙ってたら怪しまれちゃう。
何か、何か言わないとっ。