「その反応……もしかして今も好きなの?」

「……うん」

「へぇ……一途だね」



先程よりも、さらに意地悪さが増した笑顔を向けられ、ボンッと顔が熱くなる。


さっきはホッとしたけど、今はめちゃめちゃムカつく〜〜!

こんな腹黒男が初恋相手だなんて悔しいぃぃぃ。



「で? どんな子? 年は?」

「詩恩と同じ小6で……」

「うん」

「優しくて……」

「うん」

「王子様みたいな子で……」

「それから?」



少し俯いて答え続ける。
なんだか取り調べを受けているみたい。



「えくぼがあって……」

「へぇ~」



チラッと目だけを動かしてみると、片方だけ上がっている口角が目に入った。


うわぁぁぁ。今までに見たことがないくらいドス黒い顔してるぅぅ!

っていうかその笑い方はわざと⁉
えくぼがあるって言ったから、わざと見せてるつもり⁉

このドSめ……! こんなの拷問だよぉぉぉ!



「お待たせしました~」



店員さんの声にバッと顔を上げる。

拷問されている間に料理ができたみたい。


ふぅ……これで解放された。
ありがとう店員さん。