詩恩side



夜の11時を過ぎたところで、星空観察会が終了した。

このまま就寝。かと思いきや。



「詩恩くぅ~ん。話の続き、聞きにきたよ~」



満面の笑みを浮かべながら健が部屋に入ってきた。

……今度話すって言ったのに。



「それで? 相談というのは?」



追い出そうとしたが、ベッドに腰かけてクッションを抱きしめ始めたので諦めた。


こいつはおしゃべりだから、口を滑らせて本人にバラしてしまうかもしれない。

でも……俺よりも経験はあるはずだから、一応聞いてみるか。



「明莉の話なんだけどさ」

「よっ! 待ってましたぁ~!」



ったく、拍手までしやがって。
夜遅いんだから、もう少し声のボリューム下げろよ。



「恋愛の好きなのか、人としての好きなのかがわからないだ」



お見舞いに来てくれた時に悶々と考えたことと、明莉に対する気持ちを全て話した。



「一緒にいて楽しいんだけど、こう、胸がドキドキしないんだよ」

「それなら友達としての好きなんじゃない?」

「そうなのかなぁ。胸キュンはしないけど可愛いなとは思うんだけどね」